【コラム掲載にあたって】
ドッグサロンのホームページ上でこの度コラム(ブログ)を始めようと思い、
ここに3度目の記事を掲載させていただきます。
当店の宣伝になる言葉や事柄など間接的に表現として偏ってしまう語句が少なか
らず含まれるかもしれませんが、
このコラムを一読いただける読者様になるだけ有益な記事になるよう、
できるだけ中立的な立場に立ち、
20年以上このペット業界にかかわらせていただいている経験や体験を基に綴らせ
ていただきますので
お付き合いいただければ幸いです。
そして更新頻度は当店のスケジュール次第となることも併せてご理解いただけれ
ば幸いです。
【そもそも犬の美容の目安って?】
まず本題に入る前に、
前提としてご紹介したい部分が、この犬(以下ワンコさん)の美容の理想的目安
って?と、
疑問に感じる方も多いかと思います。
結論を先に申し上げておくと、ワンコさんの理想的目安は
大体『1週間に1度』です。
なぜかと言うと、
人は毎日入浴することがマナーとされています。
しかしながらワンコさんは毎日お風呂やシャンプーをする習慣がありません。
人の美容室は、
毎日シャンプーをしている方を前提に価格を決めているのに対して、
私達犬の美容室を運営しているであろうお店さんは、
『美容室でのみ入浴している』ということを前提に価格の設定をします。
なので、人で置き換えてみると一週間お風呂や何もお手入れをしなかったら?
これは色々と問題がありそうですよね(^_^;)
ワンコさんも同様のことが言えます。
やはりそれだけ美容の期間が空けば空くほど心身共にダメージを受ける結果にな
り、お耳や爪の長さ、被毛の汚れ具合などなど状態にも影響が出ます。
では、毎日美容はしたほうが良いのでは?
というお声が聞こえてきそうですが、
そもそも毎日入浴することを習慣にしているワンコさんは稀だと感じます。
そして肌のメカニズムから美容後普段の生活をしていて、
その肌から出る皮脂と、太陽光からの紫外線による『発酵』で、
体臭化する目安が1週間から10日ほどと言われております。
※サクッと解説した記事は前回のコラムに掲載させていただいております。
その記事の文面が見たい!という方はコチラのリンクをクリック。↓↓↓
まだまだ美容についての考えや目安時期というのは奥が深いので、
この『美容期間について』の記事は日を改めて掲載するとして、
今回は美容の中でもかなり重要な
爪のお手入れについての重要性を述べていきます。
【爪切りはなぜ必要なのか?】
大型の犬(以下ワンコさん)を家族にお迎えされている方ならこんな意見もある
と思います。
「そもそも爪なんて切らなくても散歩してたら削れる。」
これは半分正解で、半分不正解です。
というのも、爪はお散歩で削れることはあります。
ただそのお散歩にかける時間や、お散歩の頻度、生活スタイル、
そのワンコさんがお散歩でよく駆け出す子なのか、
恐る恐るとぼとぼお散歩する子なのかなどそのお散歩の内容でも
爪の削れ方は様々ですし、仮に毎日3回1時間ずつ行ってますけど?と、一概に言
われても適切に削れているのかもここでは何とも言えません。
そのために毎日ワンコさんの爪を見て感じて、
お手入れしているプロにみてもらい、必要であればお手入れしてもらうことは大
変重要です。
そしてここ日本では大抵が小型犬を家族としてお迎えされている方が多く、
小型であればあるほどその脚力は小さく、
ものすごく駆け出して、
連れて歩く人が引っ張られているようなお散歩でない限り、
ほぼ削れていないと思ったほうが良いかもしれません。
だからこそ削れているのか?削れていないのか?
いつ爪を切るタイミングなのか?否かも定期的に自己判断ではなく、
プロの視点から指示を仰いでもらったほうが良策に感じます。
爪をお手入れする頻度は毎日でなくとも構いませんが、
これも人と同じく、
1週間から2週間。遅くなったとしても1ヶ月に1度は
必ずお手入れしてもらいましょう。
【爪切りの重要性】
爪もまたワンコさんにとっては重要ですが、
爪が伸びてしまうと、
歩行する際に地面に着く最初の支点が爪になってしまい、
爪に過大なチカラがかかってしまいます。
そうすることで、足先の骨格が変形し、
爪の形成や伸び方が変わることに繋がります。
人にも同様なことが言えますが、
歩行する際、爪が地面に最初に支点となった場合を想像してみてください。
(そこまで爪を伸ばす人も稀ですが…)
かなり生活上不自由ですし、
歩くことすらままならなくなって苦労しそうです(^_^;)
人も歩く際、しっかりと足裏が地面に接地しながら次への一歩を踏み出します。
ワンコさんも歩く際にはしっかりと足裏のパッド(肉球)が最初に接地すること
が正常であり、爪が支点になるということは異常と言わざるを得ません。
なおかつ痛みには我慢強いワンコさんですから、
例え歩行する際に爪が支点となっていても、
痛がる素振りなどは見せない場合が多く、
人がしっかりと美容する時期を管理する以外方法がなく、
そのワンコさんのその我慢に人が甘んじて、
爪の伸びているサインを見逃していれば、
足先の骨格の形成が変わるばかりでなく、
やがて姿勢が変わり、
その姿勢で内蔵の位置が変わり、
万病を引き起こす引き金ともなります。
人ですら曲がった姿勢を矯正することは大変むずかしいですが、
ワンコさんともなると、
一度変わってしまった姿勢を改善することは
『ほぼ不可能』と言っても過言ではないでしょう。
だからこそ姿勢が変わるその前に、
是非プロが働くドッグサロン、犬の美容室、ワンコさんのお風呂屋さんなどなど
自分が行きつけにしたいと思える美容室の理想的(定期的)ご利用を強く推奨い
たします。
『信頼できるドッグサロンの見つけ方』については、
コチラの記事をご参照ください。↓↓↓
【プロが行う爪切りの意識】
この章につきましては、プロが行うワンコさんの爪切りへの意識についてご説明
をさせていただきます。
自分が爪切りを行うわけではないから…と、関心がない方も多いかもしれません
が、プロが行う爪切りの意識を知ることで、
そこにお店側とご利用される方との意識の乖離を埋めるために、
当店独自の見解を含みますが、この章もまた重要だと思い綴ることにしました。
爪を切る優先順位としては、
1.爪を短くする
2.ワンコさんの爪が肌に触れても痛くないように丸くする
3.爪を使用した行動を行ってもささくれや割れにくいようにする
これが大まかな優先順位となります。
そのため、最優先順位である最も大切なことは
『爪を短くすること』です。
そのほか(2番目、3番目)は付加価値でしかなく、
ワンコさんによって爪切りが不得意でかつ、
暴れたり、抵抗が強いワンコさんに関しては、
1番目の爪を短くするだけに留め、
できるだけ素早く爪切りを終わらせるほうが良い場合があります。
苦手意識の強いお手入れをしつこくすることで
トラウマ化する恐れも十分あり、
次に爪のお手入れを行う際、抵抗が強くなっていたり、
あるいは爪切りができないほどの状態(威嚇したり、噛みつくなど)にまで
発展してしまう恐れがあるため、
プロもそのワンコさんの感じ方や態度、状況判断をみながら、判断することが求
められます。
なおかつこれは当店の観点を含みますが、その状況などを加味したうえでの詳細
をご利用くださる方に美容後お迎えの際伝え、ご理解をいただきつつ
当店ができることや、どう寄り添うのか?など
今後そのワンコさんへのアプローチなどご提案をさせていただくこともあります。
「美容は抵抗がなくなってから」することが大前提ですが、
爪が伸びきって歩行時に姿勢が悪くなってしまうことも避けなければなりません。
そうした想定のもと、当店の場合ですと爪切りが苦手なワンコさんの場合、
1番の爪を短くする事を目的として、
2番の爪先を丸くしたり、ささくれないように丸くやする行為は後回し
もしくはあえて「やらない」ということも視野に入れます。
2番目や3番目の工程を爪切りに加えることによって、
その分だけ爪のお手入れにかける時間が伸び、
その分だけワンコさんがツライ想いをする結果となり、
そしてトラウマ化しやすいという負のスパイラルに陥ることになります。
こうしてほしいというご要望はご利用される方にもあるとは思いますが、
無理に爪切りをした結果、爪切りはおろか、
誰もそのワンコさんに触れることすら出来なくなってしまっては、
美容する。というどころの話ではありません。
当店に関してだけで言えば、
ワンコさんへの最終目標として『美容を好きになってほしい。』
その観点から、無理強いする事はその目標から外れてしまうと考え、
その分ご利用いただく方(ご家族様)には充分な対話を行う事を基本として、
『人とワンコさんの暮らしを豊かにしていきたい』そう考えます。
いかがだったでしょうか?
まさかまさかですが、
爪切りのお話だけで4,500文字以上語ってしまいましたが、
爪切りだけにとどまらず、
ワンコさんのお耳や肛門腺、被毛の構造のお話や、
犬という歴史のお話からお時間許す限りで綴らせていただきますので、
お付き合いいただければ幸いでございます。
それではまた次のコラムでお逢いしましょう^^