【まずコラム掲載にあたって】
ドッグサロンのホームページ上でこの度コラム(ブログ)を始めようと思い、ここに早くも5度目の記事を掲載させていただきます。
当店の宣伝になる言葉や事柄など間接的に表現として偏ってしまう語句が少なからず含まれるかもしれませんが、このコラムを一読いただける読者様になるだけ有益な記事になるよう、できるだけ中立的な立場に立ち、20年以上このペット業界にかかわらせていただいている経験や体験を基に綴らせていただきますのでお付き合いいただければ幸いです。
そして更新頻度は当店のスケジュール次第となることも併せてご理解いただければ幸いです。
目次
【ノミ・マダニによる弊害】
いよいよ夏に近づくにつれて気温が上がり、早くも活動が活発化しているノミやマダニさん。
その対処法やお薬の選択基準、さらには当店が考える上手なお薬との付き合い方(体につけるタイプのお薬が良い?それとも飲み薬?など)について今回は綴らせていただきます。
この記事を読んでくださった方は、読み終わる頃には『そんな視点があったか!』
または『それは知らなかった!』という情報も盛り込みながら、この業界20年以上の実績含めあくまで中立な立場に立ちながらも惜しみなくお伝えさせていただきますので、お付き合いいただけると幸いでございます。
まず本題に入る前に知っておいていただきたいノミ・マダニの生態やワンコさんにもたらす害や、ひいては人に対する弊害も述べさせていただきつつ、次の章で本題とさせていただきます。
(ノミ・マダニの弊害なんて見なくても分かる!って方は次の章まで飛ばしてください)
かなりホラーチックな過激表現も混じってしまうので、見たくない方は次の章まで飛ばしてもらって構いません。
(結論。とにかくノミ・マダニが体について良いことは何一つなく、お薬との上手な付き合い方が最善と考えます)
それでは参ります。
~「ノミ」について~
節足動物昆虫綱ノミ目に分類される虫。
その行動は体に付いてしまうと、ものすごい速さで体中を駆け回りながら、吸血、さらにフンも落とし回る厄介者で吸血だけならまだしも動物の食べこぼしや、人や動物のフンやフケなどを食べて成長する特性もあります。
当然ながらそんなノミが体に付くと起こり得る弊害は様々あり、端的に列挙すれば、
・貧血
・ノミアレルギー性皮膚炎
・瓜実条虫(内臓に寄生する寄生虫)
・猫ひっかき病
などなど
簡単に挙げるだけでもこれだけ出てきます。
そんな虫が付着するは犬(以下ワンコさん)に留まらず、猫さんや人にも付き、(もちろん他の動物にも同様です)ワンコさんと同じく駆け回りながら、吸血やフンを落とすことを繰り返します。
(吸血速度も早く、ノミの体重の約10~15倍の血を吸うとも言われます)
一番にやっちゃいけないのが、このノミを『押しつぶしたり』すること。
つぶすと体内にある無数の卵が散乱して、事態が収まるどころか、余計悪化させてしまうことも。
(放っておいても1匹居ると、2週間後には50匹になるとも言われています)
そしてより厄介なのが、その「ジャンプ力。」
一説には自分の体の約100倍もの高さを飛ぶことができ、お散歩中のワンコさんの体に飛び乗ることなど朝飯前の感覚でできてしまいます。
そしてなおかつノミの体はゴマのように小さく、人の肉眼で走り回っているノミを見つけるのもそう簡単なものではありません。
見つけたときの簡単な駆除方法は、ガムテープなどに生きたまま貼り付けにしてゴミ箱にポイっ!です。
そのまま速やかにごみ収集される方に委ねてしまいましょう。
しかしながら1匹いる状況ならまだしも、くまなく探しても100%体に居るノミを見つけることはそのサイズの小ささからも明らかですし、卵を産み付けていたならそれを肉眼で見つけるのはほぼ不可能です。
そんな状況下でのガムテープ駆除も確実とは言えないので駆除剤にある程度頼らざるを得ないと、当店は考えます。
~「マダニ」について~
サイズが先ほどお話ししたノミぐらいの小ささ(およそ1~4ミリ程度)ですが、(むしろノミよりもサイズは小さめかも)動きがとても遅いのが特徴。
主にくさむらなど葉っぱの裏などに引っ付き、そこを通る動物を狙って、体に付きます。
田舎などに頻出するイメージですが、以外に都会の公園などにもマダニはいます。
その行動はノミと似ていて、主な特徴はマダニも吸血してきます。
そしてただ吸血するのみならず、マダニの口の吸血する部分(口下片)にあるギザギザしたノコギリ状の針のようなもの皮膚に刺し、刺したあとマダニ自身の唾液とともに分泌される、いわゆるセメントのように固まる物質でその周りをコーティングして固定させるため、およそ1~2週間ほど動物の体から落ちることもなく、突き刺したまま吸血を続けることができます。
そんなマダニから引き起こる弊害をここにも列挙させていただくと、
・バベシア症(重い場合命を落とすことも)
・日本紅班熱(ワンコさんは無症状が多く、人は頭痛、発熱、倦怠感など)
・ライム病
・重症熱性血小板減少症候群(通称SFTS。人にも感染し、年間この症状で数名の方が亡くなってます)
などなど
ノミにも劣らずその弊害は甚大なものです。
そして吸血し終わったマダニの体はここぞとばかりにおおきくなり、約1センチぐらいまで大きくなることもあります。
(例えて言うならちっちゃい果物の種サイズ!!)
そんなマダニは動きが遅く、吸血しだすとそこから動くことはないので発見すると引き剥がすことは簡単にできますし、引き剥がしたいお気持ちは心の底からわかりますが、
『絶対に安易に引き剥がさないでください!!』
『慌ててぜっったいに引き剥がしてはいけません!!
(2回どころか何度も言いたい!!)』
何があってもそのまま獣医さんに行って処置をしてもらうことが先決です。
もし引き剥がしてしまうと、先ほどお話ししたマダニの固定された口の部分だけが皮膚に突き刺さったまま残ることとなり、想像できると思いますが、こうなれば処置はより困難になります。
以上の理由をふまえて発見されても慌てず焦らずに、すぐに獣医さんで処置してもらいましょう!
これでもサクッと簡単にノミやマダニについて説明させていただきました。
そんなノミ・マダニの生態がもっと知りたいというモノ好きさんは、他に獣医さんなどたくさんのブログを見かけましたので、ご参照いただければと感じます。
【結局駆除するには駆除剤は必須。ではスポットタイプ・飲み薬タイプどっちが良い?】
以上ノミ・マダニの生態や弊害を十分理解してもらったところで、駆除剤の利用の大切さもご理解いただけたことと思います。
それでは皆さんに質問ですが、ノミやマダニに対抗する駆除剤は何が良いと思ってますか?
体に垂らすスポットタイプ?飲むタイプのお薬?
今のところこの2つのタイプが主流になっていると感じますが、
「どんな理由や目的でその駆除剤をご使用されてますか?」
この質問にキチンとした回答をされる方も以外に少ない気がします。
どちらがワンコさんにとっては良いのか?
この質問はたくさんの方が疑問に思われている部分ではないでしょうか?
最初に当店の結論から申し上げておくと、
『スポットタイプよりも、当店は飲み薬タイプをオススメさせていただいております。』
これより先なぜその結論に至ったのか、経緯を深堀りしますが結論付けてお伝えすることには自分自身で十分に調べ、中立的な立場であらゆる視点を用いながら出した結論です。
が!!
少なからず当店や筆者自身の主観や考え方も入っておりますので、皆様にも個人でお調べ頂いたうえで最終的なご判断はご自身にてよろしくお願いいたします。
(獣医さんによってはスポットタイプ推奨などの意見もございます。様々な方の意見も取り入れつつくれぐれもご判断ください。)
それではまず最初にスポットタイプのメリット・デメリット、飲み薬タイプのメリットデメリットを列挙させていただきます。
・スポットタイプ(皮膚に点下して使用するタイプ)
メリット:飲み薬が苦手な子でも安心して使用できる。比較的扱いやすい。モノによってはネットで安価で入手可能。
デメリット:数日シャンプーできない。皮膚が弱い子は荒れたりただれる危険あり、首に垂らすだけなので確実全身に効果がいきわたるものではない。
・飲み薬タイプ(おやつ感覚で食べるチュアブルタイプ含む)
メリット:おやつ感覚で与えられる。シャンプー時期を気にしなくて良い。確実に全身に効果が行き渡る。
デメリット:好みでないとなかなか食べない(摂取してくれない)、食物アレルギーの子は要注意、基本ノミやマダニに刺されてから効果を発揮するもので、虫が寄り付かなくなるものではない。(虫除け効果なし)
以上簡単に列挙させていただきました。
この2つのタイプのメリット・デメリットふまえたうえで、みなさんが求めている目的と照らし合わせて使用を改めてお考えいただければ幸いです。
【どんなお薬にも副反応(副作用)はある】
もうお気付いている方も居られると思いますが、どんなお薬にも副作用(以下 副反応)はあります。
それはノミ・マダニの駆除剤然り。
だからこそしっかり調べた上で選択事が肝要です。
スポットタイプは先程も記述した通り皮膚が弱い子には不向きで、それが起因して肌荒れが起こることもあり、脱毛症状を起こす子や、スポットタイプの薬剤を首に垂らすだけで(決して舐めたりしないよう首の後ろに点下することが基本です)床に背中全体を擦り付けるワンコさんも居られます。
それはそのはずで、スポットタイプのベースとなっている成分はほぼすべて『農薬』に使用されているものです。
市販でも販売されているものを見ますが、簡単に言うとあれは、動物病院さんで売られている薬剤を薄めているだけのもの。
そのため効果は薄く、安価だと言うことができます。
それでは皆さんにお伺いいたしますが、
『農薬を自分自身の体に塗ることはできますか?』
この問いに問題なくYES!!と、お答えできるのならパートナーであるワンコさんに使用することも頷けますが、もし『それはちょっと…』あるいは、NO!!と回答される方が居られるのなら、少し立ち止まり考えることも必要かもしれません。
そもそもワンコさんの皮膚の厚さは人間の皮膚の半分以下と言われています。
(人の表皮が約15層に対して、ワンコさんの表皮は約3層程度)
例えて言うのなら、生まれたての赤ちゃんぐらいデリケートな皮膚をもつ子に農薬を塗布できるか?という質問に言い換えることもできると思います。(極論ですが)
かたや、チュアブルタイプの飲み薬も味が好みでなかったり、お薬によっては錠剤丸出しで中々飲み込んでくれなかったりすることもあります。
飲み薬も臨床試験を何度も繰り返し行い、安全性を確認して動物病院さんなどにて販売しているものの、食物のアレルギーがある子には不向きで、もし与えてしまうと副反応である嘔吐や下痢、発熱と行った症状がしばらく続くというリスクもありますし、お薬によっては副反応が出たらすぐに病院へ!と文言が記載されていたりします。
ではそんな状況下で、なぜ当店が前章【結局駆除するには駆除剤は必須。ではスポットタイプ・飲み薬タイプどっちが良い?】の冒頭でお伝えした、チュアブルタイプ(飲み薬)と結論付けお伝えしたのかを次の章にてお伝えさせてください。
【薬剤選び方のポイント】
まず選んだ基準は、肌に付けるスポットタイプのものは皮膚には劇薬で、とても自分自身の肌に垂らして使用したいとは思いません。
健康な肌でもいつかどこかのタイミングで荒れるリスクは避けられません。
シャンプーや美容の時期なども視野にいれる必要があり、何かと不便が多い。
飲むタイプのものは美容期間は気にしなくても良いですが、副反応が怖い。
そこで、自分はある商品に出逢いました。『ピレカロール』と呼ばれる、ジョチュウギクエキスという植物のエキス主体で作られた人の赤ちゃんが居られるご家庭でも使用できる優しい成分で虫よけを可能としたスプレーです。(当店でも販売を開始しました)
そんな優しい虫除けスプレーなら効果は薄いんじゃない?と、お声が聞こえてきそうですが
ちょっと待ってください!!
このスプレーは使用して約24時間効果が持続します!!
そして驚くべきはそればかりでなく、この商品のすごいところは効果だけではありません。
効き目のある虫さんの種類がすごい!!
一覧を記載させていただくと、
ノミ、マダニ、ゴキブリ、蚊、クモ、カメムシ、蛾、コバエ、
そして今話題のトコジラミまで!!
これはほんの一部で、ほんと効き目がない虫さんがいないくらい効果は保証付きです。
自分自身住んでいるところの玄関先にシュシュっと吹きかけてますが、市販で売られている◯コナーズよりも効き目抜群で、全然虫さん来ません!!(これには正直びっくりしました)
それでいて優しい成分でできている虫よけスプレーなら安心ではないでしょうか?
ただしこれもまた完璧ではなく、ただ吹きかけるだけなので、体全身の保護としては心許ない感じは否めません。
(雨天の際には重ねがけする必要もあります)
それと同時に併用として当店で推奨している薬剤(チャブルタイプ)が『ブラベクト』になります。
この薬剤を選ぶ理由としては、まず他の薬剤よりも副反応がマイルドで、その効果の持続期間は3ヶ月間。
なおかつ耳ダニが起因して荒れていた耳も治ることもあるとも聞きます。
他にネクスガードや、シンパリカなどがありますが、なぜブラベクトなのかということですが、まず効き目が3ヶ月持続するという点が非常に大きいです。
なおかつネットで『ブラベクト 副反応』と調べても、現在(2024年6月)のところは目立って甚大な副反応が出たという報告はなく、嘔吐や、下痢、発熱といった症状を発症した子はいるものの、すべて一過性のものであり、身体的に障害が出たりする反応は自分が調べた中では見受けられませんでした。
たしかにネクスガードやシンパリカも悪くはありません。
ですが、効き目が1ヶ月程度なので月に1回ワンコさんに対して副反応(副作用)の心配をする必要があり、その機会を減らすために『3ヶ月に1回』にできるなら、それに越したことはない。
そしてチュアブルタイプは虫に刺されるまで効果を発揮できない薬剤だからこそ、ワンコさんの身の回りは先程ご紹介させていただいた、『ピレカロール』で防御する。なら、刺されるリスクすら減らせるのでワンコさんにとっては夏場を快適に過ごしやすくなる。
というのが、当店の考えであり、筆者個人の意見です。
しかしながら、食物アレルギーがあるワンコさんにはブラベクトはおすすめしません。
この薬剤で副反応以上の過度な反応が出てしまう可能性も考えられます。
その際は薬剤を変えてみる。
あるいは、他の手段を検討されたほうが良いでしょう。
【まとめ】
いかがだったでしょうか?
今回はノミ・マダニについての生態や特徴、そして人やワンコさんにもたらす弊害。
そのための駆除剤との付き合い方を踏まえた、薬剤の種類と効果(メリット・デメリット)。
そのうえで当店(筆者)が考える対処法をお伝えさせていただきました。
皆様にとってまた新たな気付きや、これからパートナーであるワンコさんとの幸せな共生の一助になれたのなら幸いでございます。
ここまでのご一読誠に感謝申し上げます。