まずコラム掲載にあたって
ドッグサロンのホームページ上でこの度コラム（ブログ）を始めようと思い、
ここに早くも４度目の記事を掲載させていただきます。
当店の宣伝になる言葉や事柄など間接的に表現として偏ってしまう語句が少なか
らず含まれるかもしれませんが、
このコラムを一読いただける読者様になるだけ有益な記事になるよう、
できるだけ中立的な立場に立ち、
20年以上このペット業界にかかわらせていただいている経験や体験を基に綴らせ
ていただきますので
お付き合いいただければ幸いです。
そして更新頻度は当店のスケジュール次第となることも併せてご理解いただけれ
ば幸いです。
【犬にとって美容は必要なのか？】
そもそも犬（以下ワンコさん）にとって、美容とは何なのか？
そしてなぜ必要なのか？を前提として綴りたいと思います。
その前に手っ取り早く理解したい人のための動画が、コチラ↓↓↓
今回はこの動画だけの視点でなく、
違う切り口をプラスしてもう少し深堀りした視点でお伝えしようと思います。
結論を先に行ってしまえば、美容とは人の『エゴ』です。
そもそも飼育（あまりこの言葉は使いたくありませんが）する、
家族として迎えるということすらエゴということになります。
それはどんな目的でワンコさんを家族としてお迎えしているのか？
という論点になりますが、
昨今ワンコさんを労働力として、
人のお仕事の手伝いや、
働く上でのサポート（牧羊犬や、猟犬など）させようとワンコさんを迎える文化
はほぼなくなりつつあり、
愛玩として、癒やしを求めてお迎えする方が大多数であり、
愛玩として迎える以上、共にひとつ屋根の下で暮らしたい、
一緒に家で共に過ごす時間を共有したいと思われている方が大半だと感じます。
そんな中で、美容せず汚れきったまま放置するわけにもいかず、
定期的に体の汚れを取る必要があります。
しかし、一般の方では正しいやり方もわからない人も多く、
そこで犬の美容室（ドッグサロン）という場で、
経験や知識を備えたプロからの視点や美容技術が必要になります。
お店さんによってやり方やワンコさんに対する想いは違えど、
提供しているサービスの根幹はほぼ一律しており、
今は共に暮らすための体（外見）の清潔さに留まらず、
健康寿命を伸ばすためのお手入れである
爪やお耳、肛門腺のお手入れなど基本となるお手入れからはじまり、
ハミガキや、ハーブパックや泡パック、炭酸泉、温泉浴、ローズパックや
アロマテラピー、マッサージなどなど…
人が美を追求するためのサービスまでもが
ワンコさんへと美容サービスとして転化されていたりします。
これらサービスを選ぶのはワンコさんではなく、
そのワンコさんのご家族であり、ご主人（オーナー）です。
ただワンコさんにとって、美容とは
「つらくて、しんどくて、できたらしたくないもの。」
少なからず、身体的に負担がかかっってしまうことは避けられず、
人が美容される感覚で、美容中気持ちいいと感じている子は
おそらく少数派と言わざるを得ません。
その人との意識の乖離の視点で、これは人の『エゴ』だと語弊を恐れず記述させ
ていただきました。
ですが、これらのサービスどれをとってもワンコさんにとって人と同様、
心身ともに健康にする効果も実証されていることも
知っておかなければなりません。
なおかつ『エゴ』とはいえど、
ワンコさんは人の手なくして自身のチカラだけで健康に育つこともできなければ
キレイで清潔な体を保つこともままなりません。
そのためにワンコさんにとって美容できないということは死活問題であり、
なくてはならないサービスの場であるとも言えます。
【美容する目的とは？】
この目的は人それぞれでまた違いはあるとは思いますが、
大前提は『キレイに清潔にしてほしい』ということに尽きると思います。
自宅での美容も決して悪くはありませんが、
やはり我流やプロの指導の元実践し、学びながらでない限り、
ご家族の意図とは関係なく、ワンコさんの身体にとって間違った美容法は大惨事
になることもあり、
プロの観点からすると、
できればワンコさんは美容室に「定期的に」連れて行ってあげてほしいです。
良かれと思ってしたご自宅の美容で、
状態によっては美容室を定期的に利用されている子よりも多大な手間がかかるこ
ととなり、
その手間賃としての別途料金や、美容時間も通常より多く時間がかかってしまう
ことにも繋がります。
だからこそプロは決してご自宅での美容はおすすめしないですし、
逆をいうと、ご自宅の美容は『止めるよう』促す方が大半に感じます。
それほど、ご自宅で無計画に知識がないままワンコさんを美容するデメリットは
大きく、
プロはご予約取得の際に「自宅で美容した」と聞くと、最悪の事態を想定しなが
ら
どれくらいの時間かかりそうか？（平均的な犬種の所要時間よりも多く想定）
最悪の場合の追加料金（基本料+別途料金のお見積り）など
それらをお電話や対面でご利用される方に対してご説明を加えるという業務を強
いられることとなります。
以上の観点からプロのグルーマー（トリマー）の意識として、
ご自宅では基本ワンコさんに対してお手入れを加える必要はなく、
定期的（1週や２週に１度、遅れても月に１回の美容）に美容室に連れて行ってあ
げることが最善の選択と言えます。
犬の美容室（ドッグサロン）でワンコさんはお風呂に入るものであり、
美容するものであり、
そして全身のお手入れを適切にして初めて清潔さを保てるようになります。
だからこそプログルーマー（トリマー）の技術は欠かせません。
それでも本当に自宅でなにもお手入れしなくていいんですか？
と、不安な方に向けて以下をご参考ください。
『プロのワザや技術の基本（デフォルト）』
・できるだけワンコさんの美容にかかる負担を減らしつつ
・一般の方が行うよりも比べようがないほどに素早く美容作業を行い
・かつ美容後数週間経過しても清潔に保て、かつ型崩れしない（特にスタイリン
グする犬種に言えます）
これがデフォルトであり、ベーシック（基本的）なプロのスキルと言えます。
そのために美容室以外プラスでご自宅でお手入れする必要はなく、
ワンコさんのお手入れはすべてプロの方に委ねる感覚でも良いと筆者は感じます。
そしてわたしたちプロからの視点で更にお伝えすると、
美容室以外でお風呂や爪やお耳掃除など、
一般の方が行うことは非常に困難であり、
知識がない状態で行うとこれも大惨事を招くことすらあります。
YOUTUBEやその他ブログやSNSなどいろんな媒体で情報や知識を学びやすくなった
とはいえ、
間違っている情報もたくさん出回っていていることも事実。
自分（筆者）がこの業界に20年以上携わらせて頂いておりますが、
「家で美容しています」と、お答えされた方のおよそ9割超が
かなりすごい状態になっていることを目の当たりにしているため、
お家でのお手入れは極力行わないほうが無難です。
【美容期間別ワンコさんの状態やイメージ】
ここの章では文字で語るというよりも、
一覧として箇条書きに、【美容期間】、【その期間に対するワンコさんの状態や
イメージ】を
ひたすらに筆者の主観も少し加えながら列挙させていただく章とさせてください。
・美容期間が週に1回（理想的期間）…テレビに出てくるモデルワンコさんレベル。
いつでも状態はキレイで清潔。どんなデザインカットも負担少なくできて、どの
視点から見ても整っている。美容室がもしかしたらお家よりも好きなワンコさん
も多いレベル。（上の文字列を合わえてもらえれば幸いです。これより以下の文
面同様）
・美容期間が２週に1回（理想的期間）…キレイ！清潔であり、美容のスタイルも
維持できている。生活上なにも問題がなく過ごせていて、美容の負担も軽い。ど
んなデザインカットもできるし、美容室にも慣れていてお店が第二のお家みたい
な感覚かも？
・美容期間が月に1回（遅れたとしてもこの時期までにはご利用いただきたい）…
過ごし方にもよるが、所によっては少し汚れや細かなもつれはある状態。生活す
る分には不自由なく暮らせるレベル。美容は慣れているが、毛を伸ばしながら作
るデザインカットは難しい場面もあるかも。ワンコさんによっては美容を楽しん
でくれている状態。
・美容期間が6週間に1回…どこかしら汚れがあり、もつれができている。美容は
そのワンコさんによるが負担に感じる子もいる。サッパリしたスタイルなら問題
ないが、毛を伸ばしていくようなデザインカットは非常に難しく、美容が好きな
ワンコさんと、そうでないワンコさんが二分される印象。
・美容期間が2ヶ月に1回…状態がどこか思わしくなくて、お店さんによっては追
加料金と美容時間が少しかかってしまうかも。美容に不安を抱き、不慣れな子が
多く、人とのコミュニケーションもあまり取りたがらないイメージ。デザインカ
ットはほぼ不可能で、サッパリしたスタイルでも清潔さは保てない。できたら美
容室に行きたくないワンコさんが多い印象。
・美容期間が3ヶ月に1回…全体が思わしくない状態。バリカンで全身を刈り取る
ようなスポーティーなスタイル以外選択の余地がなく、美容室にも慣れていなく
て、場合によってはグルーマーやトリマーさんを困らせる行動も。そしてワンコ
さん自身も美容がトラウマ化してしまっている事が多い印象。
・美容期間が半年に1回…ワンコさんの状態をお電話だけでは把握することがほぼ
不可能。あらゆる最悪を考えて別途料金や所要時間をお伝えすることはもちろん
だが、ワンコさんにとって美容での負荷もプロの技術をもってしても甚大になる
可能性も。プロでも扱いに困り、触れることすら恐ろしく感じるレベル。
・美容期間が年に1回…考えたくないので、この辺で終わります。
これらを分かりやすく解説した動画もございますので、そちらもご参照いただけ
ると幸いです。
動画はコチラから↓↓↓
【犬の美容でケアできる限界】
今まで美容の目的や意味や本質などお伝えしてきたわけですが、
ここまでご説明してきても、ワンコさんの美容には実は『できることに限界』が
あります。
美容はあくまで体（外見）へのアプローチでしかなく、
その内側まではどうすることもできず、
人でも食べているもので身体は作られ、そして習慣でもその身体は作られるとも
言います。
ワンコさんもこれと同様で美容も大事ですが人と同様食べるものや、良い習慣
（よく寝る、遊んだりお散歩などよく運動するなど）
も大切になります。もちろんこれと合わせて美容を理想的目安をご参考に通って
いれば最高です！
しかし美容をしていても栄養価が高くなくて吸収効率も悪いフードや、
ご家族皆さんが夜型であまり質の良い睡眠が取れていなかったりすると、
ワンコさんにとってもその健康被害は大きく、美容だけではカバーしきれないと
いうのが現状です。
そのことを自分たちグルーマー（トリマー）も把握しているからこそ、
ワンコさんの食のセミナーや身体的なこと、ワンコさんにとっての健康寿命の伸
ばし方など
美容以外数々の種類のセミナーを筆者自身も受講してきました。（今まで合計数
◯十万円は支払ってきました）
だからこそかゆいところに手が届くような知識や、
ご提案ができるように美容以外に学ばれている方がこの国のグルーマー（トリ
マー）の世界では多いのも知っていただきたいです。
美容だけではできることに限界はありますが、それだけでなく何か皆様の一助に
なれるようなご提案なども、
当店ではさせていただくこともございます。
もし皆様が悩まれていることだったり、不安に思うことがあれば獣医さんに行か
ずとも、
一度行きつけのドッグサロンのプログルーマー（トリマー）さんに投げかけてみ
てはいかがでしょうか？
【まとめ】
いかがだったでしょうか？
ここまで綴ってきて美容とは何か？ワンコさんが美容に感じている想いと人との
意識の乖離。美容室での美容意味や価値と、根幹。
ご自宅での大惨事となりかねない、避けなければならない美容について。
そして美容期間別のワンコさんへの状態や印象。
されど美容にも限界があり、生活習慣や食べるものの大切さもお伝えさせていた
だきました。
（食べるものやワンコさんの健康習慣に関するつっこんだ詳細記事は後日記載さ
せていただきます）
皆様にこの記事がもとで一つでも気付きを感じて、
これからの愛犬さんとの暮らしを豊かにする一助にしてもらえたなら、
これ以上の喜びはありません。
いつもありがとうございます。
